ハジメテの男に嫉妬した年下彼氏の独占欲に抱かれる夜
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ハジメテの男に嫉妬した年下彼氏の独占欲に抱かれる夜 (ページ 1)
一日に何通も届く社内メール。直接は関係ない本社の報告も届くから少し鬱陶しい。
そんな本社からのメールの中に、私は見覚えのある名前を見つけた。
「リコさん、この新しい営業部長って、昔うちに出向で来てた人ですよね」
隣の同僚に声をかけられて、忘れていた記憶が蘇る。
「結構イケメンで、仕事ができて、昇進も当たり前って感じの人でしたっけ」
「そうだね」
「リコさん、気に入られてたから、本社に呼ばれたりして」
「そんなわけないじゃん」
好き勝手なことを言う同僚に苦笑していたら、後頭部に視線を感じた。
「へぇ、リコさんの元カレかなんかですか?」
爽やかな声が背中に降る。
「違うよ。カイ君まで変なこと言わないで」
振り返ったら、年下の恋人が瞳だけで不機嫌を伝えてきた。社内恋愛を始めてもうすぐ半年。アイコンタクトにも慣れた。
「ムキになって否定して怪しいな」
冗談めかした言い方だけど、たぶん本気。何より、カイ君の勘は当たっている。その人は、私が初めて抱かれた人だから。
「本当に一回だけなんですか?」
仕事が終わって、私はカイ君とダイニングバーで向かい合った。半個室の席で、しつこいくらいに過去を聞いてくるカイ君に、少しだけ困惑する。
「本当だって。あっちも私も酔った勢いだったし。その後は顔も見てない」
出向で来ていた男性と送別会の後、一夜を共にした。どこにでも転がっている事故話だ。
「でも、リコさんは初めてだったんでしょう?」
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