厳しいことで有名な先輩講師に押される甘くてイジワルな研修印

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厳しいことで有名な先輩講師に押される甘くてイジワルな研修印 (ページ 1)

私、向いてないのかな、塾の先生。

就業時間後、とぼとぼと空き教室に向かう。

全体研修を終えた新人講師は、先輩講師の研修を受けたのち、ゴーサインが出れば授業デビューすることになっている。

同期の中、私だけ、まだデビューできてない。

私の担当は、松永先生。

厳しいことで有名、外れクジって噂の通り、かも。

雑談してると面白くて優しくて、松永先生が研修担当って聞いたときは、ちょっと嬉しかったのになぁ。

連日、叱られてばかりで自己嫌悪。

・・・はぁ。

思わずため息が出る。

模擬授業の準備を終え、先生を呼びに行く。

「松永先生、準備できました。よろしくお願いします」

「あーい」

あれ?

先生、模擬授業研修のときはいつもぴりぴりした返事なのに、今日は普段の先生のまま?

それでも、緊張は変わらない。

えっと、こうだっけ・・・この次は・・・

「・・・今日はここまで。次回は、段落の関係から全体を読み解く方法を勉強しましょう。」

つかつかつか、先生が私のほうへ歩いてくる。

え?

そんなにマズかったか、今回。

ぽふっ。

頭に大きな手が置かれた。

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