彼氏に構ってもらえず、幼馴染に愚痴ったら流れで一線を越えてしまいました…

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彼氏に構ってもらえず、幼馴染に愚痴ったら流れで一線を越えてしまいました… (ページ 1)

最近、彼とはご無沙汰気味だ。

 付き合って二年、気が付けば半年間もセックスをしていない。

 それどころか月に1度しか会っていないような気もする。

 正直私と彼との関係が恋人同士と言えるのかどうかすら怪しいところだ。

 そう悩む度に私は幼馴染の男友達に会って話がしたいと連絡をする。

 適当な居酒屋でもなんでもない、互いの家に酒を持ち寄り遊びに行くのだ。

「栞さぁ、彼氏持ちの女がこんな頻繁に別の男と会ってていいわけ?」

 缶チューハイを片手に、幼馴染の佑磨が私に声をかけてきた。

 佑磨は年代問わず女性からモテる割に、固定の彼女を作ろうともせず一夜限りの関係で終わらせてしまうのだ。

 その気のない私は今まで何度も酒を酌み交わし、特別体を繋げることなく夜を明かしてきた。

 だからまさか自分が佑磨と一線を越えてしまうなんて、想像しているはずもなかったんだ。

「いいのよ。どうせアイツは私のことを恋人とも思ってないだろうしね」

「そう言ってお前、毎日オレに連絡を寄こすけどさぁ、彼氏にも連絡してんの?」

「佑磨に言われなくても連絡はしてるよ。返事なんて五回に一回来たらいいほうだよ。他の友だちのほうが頻繁に連絡をしてるぐらいだけど」

 次々に缶が空いていく。

 テレビも付けず、互いの愚痴を魚にして飲み進めるお酒は美味しくも、時々寂しくなるのは心の片隅で彼をまだ愛しているからなのだろうか。

 仕事が忙しいと何度も会うことを断られ、家に招かれる回数も続々と減っていった。

 そんな彼を愛し続ける必要などない。

 早々に諦め次の恋に踏み出したほうがいいと決まっているのに。

「……やっぱり好きなんだよ…」

 飲み干した缶を雑にテーブルに置き、私はゆっくりと息を吐いた。

 セフレもおらず、セックスレスになってからはただ一人で欲を満たすだけの毎日。

 終止符を打ちたいと思いながらも、見切りをつけることも動き出すこともできずにいた。

「栞、オレはさぁ、別れたほうがいいと思うよ?」

 佑磨からの突然の言葉に、私は溜息をつくと怒りを露にしてしまった。

「なによ! オレにしたら、とでも言いたいわけ?」

「うん、そう言いたい。栞を一切構ってくれないような男より、ただただ飲み明かせるオレと付き合わない?」

「イヤよ。あんたみたいに女遊びが激しくて、セックスしたらぽいするような男は」

 幼馴染でもなければ一生関わりたくないタイプの男だ。

 少なくとも私は、ただセックスをしたら終わりだなんて──考えたくもない。

 セックスから始まる恋愛を否定するつもりはないけれど、自分はきちんとした恋路を歩みたいと思っている。

 ただそれだけだ。

「そう言わずにさ、一回ぐらいしようよ」

「ちょっとあんた、悪酔いしてんじゃないの? いつもはべたべたしてこないのに」

「いいじゃん、たまにはさ。栞、セックスしようよ。オナニーばっかりして男のコレの感覚を忘れないように、ね?」

 まとわりつくように私の体に腕を伸ばしてきた佑磨の体が熱い。

 普段見たことのないような瞳で私を見つめ抱き締められてしまった。

 今まで感じたことのない力強さに不思議と恐怖を感じる。

「佑磨、止めて! 私あんたとセックスをするつもりなんて……!」

「いっつもオナニーしてんだろうけど、棒の存在だって感じたくない?」

 饒舌気味に話す佑磨は私をカーペットの上に押し倒すと馬乗りになってきた。

 見下ろされる形になった私の顎を掴み、彼は唇を寄せてくる。

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