VIP専用ルームに鎖で繋がれ歯を立てて噛みつかれて…狂わされるハロウィンナイト (ページ 8)

深呼吸をして、辺りを見回す。

テレビに、お気に入りの茶色いソファ。

そこには見慣れた景色が広がる。

私の…住んでいるマンションの部屋…。

時計を見ると、小さい針は７を指していて、カーテンの隙間から太陽の光が差し込んできていた。

え、パーティは？！

あれは、夢？！

やけに生々しい夢だったのか…。

一瞬そう思ったが、この身体のダルさと首筋にうっすら残る歯形が、夢でないことを教えてくれた。

私はどうやって帰ってきたのか…。

そして。

カイト…。

名前しかわからない彼は、一体誰だったのか。

目を閉じると、白衣に血がたくさん飛んだ姿がくっきりと思い出される。

私はあの出会いに頭を支配され、疼く身体を抱え、日曜日をただただボーッとして過ごした。

そして、月曜日。

また、いつもの日常が始まる。

“Trick or Treat!!”

…ただ、悪戯をされただけなのかもしれないな…。

今日も朝日が眩しい。

ハロウィンナイトに起きた不思議な出来事を頭の奥に押さえ込みながら、私はマンションの部屋を出た。

…私がそのハロウィンの謎を解くのは、もう少し先のお話…。