失恋で傷ついた心ごと大切に優しく癒やしてくれるセラピスト
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失恋で傷ついた心ごと大切に優しく癒やしてくれるセラピスト (ページ 1)
数週間前のことだ。
失恋した。
昔、誰かが「付き合ってない段階で交際を断られたのは失恋とは言わないのよ。」なんて言ってたけど、それは違うと思う。
大して生きてもないし、大して恋愛もしたことないけど、でも…
片思いだって恋愛だ。
まして、初めて自分から告白して、それを無視されたのだから、傷つかないわけがない。
騒がしさが残る日曜深夜の新宿。
銀行の角を曲がったところにある、小さな路地に逃げ込んだ。
大音量で新しくオープンしたレストランの広告ソングを撒き散らしては何台ものトラックがぐるぐる表通りを巡ってくる。
雑踏に隠れるようにしゃがみこんだ。
足元のマンホールが歪んでくると、街も夜空もすっかり冷たくなった風も私の周りのすべてが意地悪く歪んでいく。
1人だけ取り残されているような気がした。
寂しい。
寂しい。
寂しい。
それしか言葉が見つからない。
胸を埋め尽くす、その言葉を少しでも減らしたかった。
これは現実逃避にすぎないのだ。
いや、すぎないはずだった…。
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