ゴールデンウィークもフードコートで働く私。退屈なバイトを終え、隣のお店に勤める男の子と遊びに来たカラオケボックスで・・・。

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ゴールデンウィークもフードコートで働く私。退屈なバイトを終え、隣のお店に勤める男の子と遊びに来たカラオケボックスで・・・。 (ページ 1)

今日は、ゴールデンウィークの中日。デパートの屋上にあるフードコートでは、楽しそうに食事をする家族やカップルで賑わっている。その姿を横目で眺めながら、私はハンバーガーのパンにスライスしたトマトを挟んだ。

 (私だって、連休は遊びたいのにな・・・・)。

 「はぁ・・・」

 21時過ぎ、やっとバイトが終わり、店を出て私は大きなため息をついた。ちょうど隣の店でバイトをしているヒロ君が、戸締りを終え、店から出てきたところだった。目が合った私たちは、お互いの顔を見合わせると「プッ」と笑った。

 「美菜ちゃんも今日、バイト?お互い、連休中も休みなしか。」

 「うん。忙しくて参っちゃうよね。今日もお客さん多かったし。」

 「美菜ちゃん、この後、暇?もしよければカラオケ行かない?せっかくの連休だし、少しは俺たちも気晴らしに行こうよ。」

 「いいね。じゃあ私、更衣室で着替えてくるから、1階の裏口で待ち合わせしよう。」

カラオケボックスに入った私たちは、ビールで乾杯した。

「お疲れさまー!!」

 「ヒロ君、今日は、本当大変だったね。そういえば、私たち、2人で遊ぶのって初めてだよね。」

 「そうだね。俺は機会があれば2人で出かけたいなー、と思ってたけどね。」

 「え?そうなの?」

 「そうだよ。だから今日は付き合ってくれて嬉しいよ。」

 「私も誘ってくれて嬉しいな。何歌おうか?」

 「美菜ちゃん、先に好きな曲選んでいいよ。」

 「いいの?何にしようかな?」

 30分後・・・。何曲も立て続けに歌う私を見て、ヒロ君がクスクスと笑った。

 「美菜ちゃんって歌い始めたら、マイク離さないタイプでしょ!?」

 「最近、ストレス溜まっててさ。ごめんね。私ばっかり。ヒロ君も歌ってよ。」

 私がリモコンを差し出すと、ヒロ君は、照明を薄暗くして、しっとり系のバラードを歌い出した。ヒロ君の歌声が、私の疲れた体に心地よく響いた。

「ヒロ君、凄く歌上手いね。」

「たまに、1人で歌いに来てるんだよ。これだけが唯一のストレス発散方法だからねー。」

「そっか。」

「私もね、最近、バイトでストレス多いな。目標があって始めたはずの仕事なのにね。」

「どんな目標?」

「調理師の免許がとりたくて。それで今のバイト始めたんだけどね。でも、毎日簡単で同じメニューしか提供しないから、あんまり料理の勉強にならないなって。最近、モチベーション落ちてきちゃったんだ。」

「そうなんだ。俺、美菜ちゃんのこと、“いつもバイト頑張ってるなー”と思いながら見ていた。俺は、ただ生活の為に働いているだけだから、ちゃんと目標がある美菜ちゃんは、凄いと思うよ。」

「ありがとう。そんな風に言ってもらえてうれしい。」

 楽しい時間はあっという間。明日はまたバイトか。そう思うと気が重くなった。

「ヒロ君、もう少し歌いたくない?延長しようよ。」

「俺はいいけど・・・美菜ちゃんも、明日バイトだよね。大丈夫?」

「今夜はさ、明日の仕事のこととか考えたくないの。」

「そっか。じゃあ、もうちょっと一緒にいようか。」

「ね?折角だし、デュエットしない?」

「いいよ。」

ヒロ君と一緒に歌いながら、私はそっと彼の手に指を絡ませた。

曲が終わった後、ヒロ君は真剣な顔で私に尋ねた。

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