「流石にもう、隠せないんだけど」頻繁にノートを借りにくる彼の悪いところ (ページ 6)

「入れるぞ」

「うん、っ……!」

ずくと入り込んだ熱の塊は想像以上に大きく、不安になるような質量に思わず目を見開く。

私の身体を思いやってか、時間をかけてゆっくり全部を押し込むと、啓介は苦しそうに息を吐いた。

「あ、あっ、ひあぁ、あんっ!」

ゆっくり動き出した啓介につられて、はしたない声が私の唇から洩れる。

口を塞ごうと伸ばした手は、彼の手に絡めとられてしまった。

「あんっ、んっ、やあ、あ、あああああっ!?」

どうすることも出来ず、ただ喘ぐ私。

ぐちゅぐちゅと水音を響かせていた啓介がある一点を掠めた瞬間、その喘ぎはより大きいものになった。

「ホント可愛いな、梢は」

「あっやめっ、あああっ、あああああああっ!」

分かりやすい私の反応に啓介がふっと笑う。

執拗に敏感な部分を責める彼に、私は目に涙を浮かべながら熱に浮かされるしかなかった。

「や、もう、んっ、あああああああああああああああああっ!」

びくんびくんと跳ねる身体とぱちぱちと脳内で弾ける火花が、絶頂を迎えたことを示している。

啓介も絶頂した私の締め付けに顔を歪ませ、ゴム越しに精を吐き出した。

「んっ、あ、あ」

残った精を絞り出すように二、三度揺れる啓介の動きにまで、ぴくんぴくんと身体が反応してしまう。

身体の力を抜いた私に、啓介がもう一度キスを落とした。

「好きだ、梢」

本当に、こういうところは彼の悪いところだ。

赤く色づく頬を隠すことも出来ずに、私はどうしようもなく眉を下げた。

-FIN-

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