放課後の音楽室で暴かれる秘密の逢瀬

キャラクター設定

登場人物をお好きな名前に変更できます。

milkyに掲載の小説は当サイトが契約する作家陣によるオリジナル作品であり、著作権は当サイトにて保持しています。無断転載、二次利用は固く禁じます。不正な利用が確認された場合、法的措置を取らせていただきます。

放課後の音楽室で暴かれる秘密の逢瀬 (ページ 1)

「はい、今日の授業はここまでです」

楽譜をトントンと教壇の上で揃えながら、水谷先生が言った。

「次はパートテストをしますね」

「え〜、水谷ちゃん、マジで〜?」

「もぉ、先生って呼んでってば!」

クラスの男子達の野次に顔を真っ赤にして抗議している。

若い女性の教育実習生なんて、そりゃ、男子達にとっては格好の的だよな。

水谷先生を一通りからかったクラスの連中は、満足そうに音楽室を出て行く。

1人残った俺に気付き、水谷先生が近付いて来た。

「畠中君、どうしたの?」

水谷先生の長い髪がさらりと肩から落ちる。

「…俺…水谷先生に相談したい事が…他の先生には言えなくて…」

俺は俯いていた顔を上げて途切れ途切れに訴えた。

水谷先生は一瞬、教育実習生らしい戸惑いと不安を表情に浮かべたが、すぐに、

「私で良かったら話は聞くわ」

と優しい微笑みを浮かべながら答えてくれた。

放課後。

俺は再び音楽室へと足を運んだ。

ピアノの蓋を開け鍵盤を指で軽く弾くと、防音の施された音楽室に、ぽーんという音が木霊する。

「ごめんね、畠中君、お待たせ」

少し遅れて水谷先生が入って来た。

「俺の方こそすみません、教育実習生って忙しいんでしょ?」

「うーん、まぁね。でも生徒の悩みを聞く事の方が大事だから」

「他の先生に怒られたりしないんですか?」

「大丈夫だよ、気にしないで」

水谷先生が両手でガッツポーズをしながらウインクをしてみせる。

コメント (0)

コメントを書く