ずっと憧れてた隣のお兄さん。卒業式の日に告白してはじめての…
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ずっと憧れてた隣のお兄さん。卒業式の日に告白してはじめての… (ページ 1)
「美雪ちゃん、今日は久しぶりに家でご飯でも食べようか。」
制服姿の私に春彦さんが言った。
使い古したスクールバックには卒業証書が入っている。
春彦さんは、「久しぶりに」なんて言ってるけど、ホントは私がお願いしたのだ。
卒業祝いは、お家でご飯が良いって。
「それにしても、早いなぁ。もう高校卒業か。」
春彦さんが隣に引っ越してきたのは、私が中学1年の時。
あれから、6年も経つのか。
でも、春彦さん、全然早くなんかなかったよ。
「中学の頃だよね、美雪ちゃんがボクの家に入り浸るようになったの。」
「ひっどーい、そんな言い方ないじゃないですか。」
「ごめんごめん。」
「他に行くところなかったんです。」
「びっくりしちゃったよ。初めて美雪ちゃんがボクの家に来た時はさ。顔ぐしゃぐしゃにして泣きじゃくった子が、玄関のドアあけたら立ってたんだもん。」
「ごめんなさい。でも、あの時は、ホントに助かりました。両親、私が小さい頃から喧嘩ばっかりだったんですけど、当時は特に酷かったから。」
「今は?」
「離婚してからは落ち着いてます。父親は仕事に出たきりで、滅多に帰ってこないし。」
「そっかぁ。でも、気をつけなよ。一人暮らしのおじさんの家に上がり込むなんて、危ないんだから。」
おじさんなんて言わないでよ。まだ34じゃん。そうやって、突き放さないでよ。
「おじさんかどうかは、私が決めることです。」
「美雪ちゃんは優しいなぁ。」
ほら。また、子供をからかうみたいにあしらって。
「春彦さん、私って、やっぱり・・・子供っぽいですか?」
「え・・・」
やっぱり、そうだったんだ。勢いなんかで聞かなきゃよかった。
「そうですよね・・・。背も小さいし、顔も童顔だし、胸も小さいし、それにツラいとき、春彦さんに甘えちゃうし・・・。」
どうしよう。話せば話すほど、苦しくなる。
苦しいのにやめられないし、目の前が滲んで見えなくなる・・・。
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