「動画では顔にかけてましたが、僕の趣味ではないので。ここにかけてしまいました」
丁寧にわたしの太ももを拭きながら、教授がすまなそうな顔になる。
「別に、かけられたいなんて思ってないですから」
「そうだったんですか?てっきり、ああいうのが千星さんの趣味なのかと」
「違います!あの動画は、白衣が見たかったというか…」
「白衣フェチですか」
違うとも言い切れないけど。
「どっちかと言うと、利人さんフェチです」
「僕みたいな男がタイプだなんて、物好きですね」
「…無自覚って、確かに困りますね」
「何の話ですか?」
教授が離れていかないように、わたしは白衣をぎゅっと掴んだ。
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