AVを観ながら叶わぬ恋の相手を想って自慰していたら本人に見つかって… (ページ 2)

『千星さん』

昼間の教授の声を不意に思い出して、胸の奥がキュンとした。

教授がわたしを名前で呼ぶのは、単に同じ苗字の准教授が他にいるからなのに。

15歳も年下のわたしを異性として認識しているかすら怪しい。

届かない恋。

そう分かっていても、教授を求める自分がいる。

わたしはイヤホンを出してパソコンに繋いだ。

『あん…あ、気持ちいい…』

白衣姿の男性に机の上で犯される女性。

何度も見ている動画は、白衣の衣擦れの音すら聞こえるようだ。

わたしはそれを見ながら、下着の中に手を伸ばした。

「ふ…利人さんっ…」

普段は呼べない愛しい名前を、こういうときだけは思い切り呼ぶ。

くにくにと恥ずかしい尖りを擦って、絶頂を目指した。

「はぁ…利人さん、好き…利人さん…」

「千星さん」

教授の声が耳元でする。そんなはずないのに。

「え…」

気配を感じてパソコンから目を外すと、右斜め上に教授の顔があった。

「こういうことは、せめて鍵をかけてからしてください」

わたしのイヤホンを長い指が外し、今度こそ教授の穏やかな声が耳に入る。

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