風邪を引いた幼馴染の看病をしに行ったら、寒いから温めてほしいと言われ、一緒にお風呂に入ることになっちゃった…。
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風邪を引いた幼馴染の看病をしに行ったら、寒いから温めてほしいと言われ、一緒にお風呂に入ることになっちゃった…。 (ページ 1)
「和真、入るよ…」
美紀は幼馴染の和真の家のドアを静かに開ける。
腐れ縁で、大学まで一緒の和真は大学の近くで一人暮らしをしている。
たまにご飯くらい一緒に食べることもあったが、家には来たことがなかった。
今日、なぜ彼の家へ来たかというと、急にメールが届いたからだ。
「美紀、風邪ひいてしんどい。何か買ってきてくれない?」
淡白なメールはいつものことだが、1人暮らしで具合が悪いのは本当に心細い。
「授業終わったら、家行くから、欲しいものあったらメールして」
美紀も淡白なメールを返したが、その日授業が終わるまで、返信が来ることはなかった。
授業が終わり、和真の家の近くのスーパーに寄り、必要なものを物色する。
「あ、和真、桃缶好きだったよな…」
小さい頃、和真の家へ遊びに行くと、いつも桃の缶詰を出してくれた和真のことを思い出し、自然と口元が緩む。
「ふふ、あの頃は可愛かったな~」
成長するにつれ、どこかぎこちない関係になっていくのは仕方がないことだと頭ではわかっていたはずだが、また昔のようになれたらいいなと心の奥では思っていた。
桃缶と冷えピタなど、必要なものを買って家へ向かう。
「これから向かうね」というメールに「了解」とだけ返ってきた和真のメール。
辛いのかな、寝てたら悪いなと思い、ピンポンを押さずにドアを開けたら鍵が開いていたので、そーっと中に入ることにしたのだった。
思った以上に片付いていて、「へ~」とか感心しながら廊下を進む。
音をたてないようにそっと部屋に入ると、ベッドで横になる和真が細く目を開ける。
「…悪い、サンキュ」
起き上がろうとする和真を急いで止める。
「いいから、寝てて。お腹空いてる?おかゆ作ろうか?」
スーパーで買ってきたものを仕分けしながら、和真の様子を伺う。
「…食欲ないわ、いらない」
再びベッドに潜り込んだ和真も、こちらの様子を伺っている。
「少し食べて、薬飲んだ方がいいよ。見てよ、桃缶!好きだったよね?」
ふふ、と和真に笑いかけ、返事も待たずに桃缶を開ける。
「…桃缶か、懐かしいな。それなら食べれそうだな、お前も食べて行けよ」
やっぱり好きなんだと、嬉しく思い、桃をお皿に出す。
「和真、食べさせてあげようか?」
「自分で食えます」
久しぶりの二人の空間に、初めは少し緊張していた美紀だったが、そんな他愛もない会話をしているうちに自然に振る舞えるようになっていた。
「桃缶、うまかったな。なんか元気出てきた」
桃をぺろりと食べ終えた和真は、少し伸びをして調子のいいことを言っている。
「そういうとこだよ、調子に乗るとまた具合悪くなるんだからね、ほら、薬飲んで寝る!」
美紀は桃缶を片付けて、てきぱきと、薬と水を持っていく。
「わかったよ、でもちょっと寒いから…風呂で温まりたいんだけど…」
季節は秋、すっかり涼しくなったこの季節はお風呂が恋しくなる。
「じゃあ、お湯入れてきてあげる。少し待ってて」
美紀はパタパタと、お風呂場へ行き準備を始めた。
しばらくして戻ってきた美紀のスカートの端はびっしょり濡れていた。
「…お前、本当にドジだな。どうしたらこんなに濡れるんだよ」
「えぇっ!いつの間に!」
気付いていなかった美紀は、スカートの端をハンカチで拭う。
「しょうがねーやつ。じゃあ、…一緒に風呂入るか?」
「は?なんで?」
思いもよらぬ提案に、美紀の顔が一気に赤くなる。
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