強引で肉食系と噂の部下が私に求めているのは…ざわつく心
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強引で肉食系と噂の部下が私に求めているのは…ざわつく心 (ページ 1)
ホテルの部屋から見下ろす夜景が綺麗だった。
ぼうっとしながら
ひんやりとした窓に火照った手の平をあてた。
程なくして、その上にひと回りくらい大きくて綺麗な手が重なり、首筋に彼の唇が微かに触れた。
いつも顔を合わせる度に食事に誘ってくるこの男はあたしの直属の部下の間宮だった。
「今更なんですけど…」
徐に口を開いて、小さな声で囁く。
『ん?』
「麗子さんは好きな人とか、いたりします?」
不安気にそう言うから、なんだか拍子抜けてあたしは振り返って彼の顔を見た。
『…ここまで来てそれ聞く?』
「や、ずっと聞こうと思ってたんですけど…」
仕事は出来る。
けど常に女の噂が耐える事はなくて、それはあたしの耳にも入っていた。
強引で、いわゆる肉食系。
一夜だけの関係の女は両手で収まらない程なんて噂もあった。
でも今目の前にいる人は、まるで子犬のような目であたしを見つめている。
これも彼の手口の一つだったりするのだろうか。
『…どうかな』
曖昧にそう言うと、少し強い目であたしを見つめた後で、ゆっくりと引き寄せて抱き締めた。
あまり嗅いだ事のないフレグランスだけど、この少し癖のある香りは嫌いではなかった。
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