チャットの向こうにいた彼に会い心も身体も惹かれ合う (ページ 3)
一目見て、本人だとすぐに確信した。
一目見て恋に落ちた。
1次会も終盤に差し掛かったころ、席の移動がありトイレに抜けることができた。
後を追うようにして、ネロリが部屋を出た。
『あの・・・ローズさんですよね?』
後ろを振り返ると、ネロリが照れくさそうに立っていた。
『初めまして!』
お互い深々と頭を下げた。
『2次会、二人で抜けませんか?』
2次会へは行く人と行かない人と半々くらいに分かれた。
また、チャットで!と口々に言いながら、それぞれ散っていった。
ネロリは地方から来ていて、東京駅近くのビジネスホテルに泊まる予定だと言った。
荷物もいっぱいあったので、泊まるホテルへ行くことにした。
陽も落ちてきて、ちらちらネオンがつき始めていた。
『せっかくだから、少し部屋で話しません?お腹もまだいっぱいですよね』
思えば、この一言に拒否すれば私は彼に溺れることはなかったのだ・・・
部屋に着き、電気を付けるが、さほど明るくはなく薄ぼんやりした部屋だった。
ビジネスというだけあって、とても狭い。
でも、部屋に入ると外が東京駅近くと忘れてしまうくらいに静かだった。
『改めて・・・俺、修と言います』
『葵です。てっきり同じ東京なんだと思っていました』
『都会ぶった会話してたよね!出張で出てきた時にあちこち行ったりね』
そう言うと、頭をかきながら笑った。
『葵ちゃんは、随分若いんだね。てっきり話した感じ、年上と思ったくらい』
『私って老けて思われていたんだぁ!!』
歳を聞くと、修は31歳だという。
『実際年はいくつ?』
『24歳です』
チャットでは話したことないことを話す。
より一層、2人の距離が近づいた感じがした。
ふと話が途切れ、部屋が静寂になった。
と思った時、修の腕が葵の肩を寄せてキスをした。
唇を離すと、もう一度キスをした。
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