マゾじゃないけど、彼になら気絶するまでめちゃくちゃにされてもいいよ

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マゾじゃないけど、彼になら気絶するまでめちゃくちゃにされてもいいよ (ページ 1)

「うん、いいね。よく似合う」

 仮縫いされた洋服を着た私に、純也は満足そうな笑みを向けた。私も笑みを返して、ついでにくるっと回ってみる。

 ここは彼の自宅兼仕事部屋である。彼は洋服のデザイナーで私は時々モデルをしている。モデルと言ってもとても私的なものだ。彼がデザインして仮縫いした服を着みせて、実際の具合を確かめる……それだけ。それも、私の仕事の都合がつく時だけだ。とはいえ、私はこの時間を楽しみにしているので、頼まれた時は多少無理をしても時間をつくっている。

 今回の洋服のテーマは、ちょっとオシャレをしたい時に着る服、だそうだ。

 たしかに、そういうデザインだ。たとえば、デートにはぴったりだと思う。

「感想を聞かせてよ」

「デートに着ていきたいね。それで、気の利いたお店でディナーするの。その後は、どこかでゆっくり夜景を見たいな」

「そう思ってくれるなら成功だ」

 純也はデザインの細部を確認するように私のまわりをゆっくり歩く。

 そして後ろに立った時、ウエストに手をそえられた。

「ここ、動きにくいとかない?」

「大丈夫。突っ張った感じも全然しないよ」

「ちょっと腕を上げてみて」

 腕を上げると、純也は布の様子を真剣な目で見ていた。

 ありがとう、と言われて腕を下ろした直後、後ろから抱きすくめられる。彼のぬくもりに包まれて、とたんに私の心臓は落ち着かなくなった。抱きしめられたことは何度もあるのに、いつもドキドキしてしまう。

「純也……?」

「夜景を眺めた後は、きっと触れ合いたくなるだろう?」

「う、うん……」

「まさか、それでサヨナラなんて言わないよな?」

 純也とだったら、きっとデートは朝まで続くだろう。

「思い出に残る素敵なデートにしてくれるんでしょ」

「もちろん。でも、そうするには俺一人じゃできないから……」

 協力してよ、と囁かれたかと思うと、耳にキスをされた。

「ひゃっ」

 いきなりのキスにビクッとしてしまうも、しっかり抱きすくめられたままの私は振り向くこともできない。耳へのキスはさらに続き、軽くかまれたりなめられたりされているうちに、うっとりととろけるような気持ちになってしまっていた。

「耳、真っ赤だ」

「誰のせいだと……」

「明奈はすぐ赤くなるね」

 恥ずかしさのあまり耳を隠したくなったけれど、抱きしめられていてそれができない。

 そのうち純也の唇は耳から首筋へと下がっていった。

 ゾクゾクとした快感が背筋を走る。

 気が付くと、洋服のボタンがすべて外されていた。開いたブラウスの中に純也の手が滑り込んでいく。ブラジャーの上から軽く揉まれただけで、私の口からは、抑えきれない熱い吐息がこぼれた。

 純也の唇が触れている箇所から、ちくりと甘い痛みが走る。

 あ、これは。

「だめ、あとはつけないで……」

「見えないところだよ」

 私の意識が胸からそれている間に、ブラジャーのホックが外されていた。ゆるんだ隙間から純也の手が侵入し、じかに触れられたとたんしびれたように肩が跳ねる。

 彼の手にやわやわと揉まれると、そこから波紋のように快感が広がり私をとろけさせていった。

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