その手が、唇が、官能を掻き立てるから。理性をなくした路地裏での話
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その手が、唇が、官能を掻き立てるから。理性をなくした路地裏での話 (ページ 1)
昼下がりのカフェ。
柔らかい光、話し声や食器の音、外の雑踏の音が心地よく、彼女を包んでいた。
ふと、ウインドウから視線を戻そうとした瞬間、朱理は目の端で、それを捉えたのだった。
いや正確には、捕えられたといえよう。
ナナメ向かいのテーブルで、スマートフォン端末を操作する男の手。
朱理は一瞬にして彼のその手から、視線を外すことができなくなった。息をのみ、食い入るように見つめる。
少し袖をまくった袖口から覗く、その腕についた端正な筋肉。
少し大きめのその手の甲に浮き出た筋も、綺麗に揃った無駄な肉のない関節も。更にその先に少し節ばった、だが長く美しく伸びた指先。
全てが男性的な美しさに満ちていた。
朱理にとって、それはまさに完璧だった。
(あの指を・・咥えてみたい・・舌先で包み込んでみたい)
想像しただけで全身が昂揚し、震えた。
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