恋愛禁止の国民的人気俳優と秘密の恋。会えない時間の中で積もっていく想い。全てを掻き消し交わる激しく甘い蜜なひととき
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恋愛禁止の国民的人気俳優と秘密の恋。会えない時間の中で積もっていく想い。全てを掻き消し交わる激しく甘い蜜なひととき (ページ 1)
ミュージック番組、ドラマ、CM、バラエティーまで。
無名だった頃から一転、人気に火が点き、幅広い分野で活躍する彼を知らない人はいないだろう。
今やテレビで彼を見ない日はないかもしれない。
『亮…』
ひとりきりの部屋で愛しい名前を呼んだ。
私は亮が売れる前から、ずっと亮の可能性を信じて支え続けてきた。
そして今、蕾だった才能は見事に綺麗な花を咲かせた。
以前は真っ白だったスケジュール帳も、今では数ヶ月先まで埋め尽くされている。
嬉しい。
でも、寂しい…。
恋愛ご法度の彼の彼女である私の存在は、当然、世間に隠されている。
とにかく亮の力になりたい、そう思うのは紛れもなく本心。
それでも…
会いたいけど会えない。
好きだけど、切ない。
想いの全てを話せたらどれだけ楽になるだろうと、思ってしまった。
心の奥底に押し殺していた感情が溢れ出して、涙が零れた。
その時、鍵の開く音がして玄関の扉が開く。
「ただいま」
感情よりも先に、体が動いた。
会いたいと願い続けた彼の声。
一目散に彼が待つ玄関へと駆け出した。
『おかえりなさいっ!』
力一杯抱きしめて、広い胸に顔を埋めた。
「待たせてごめん、予定より撮影が長引いて…」
『気にしないで。遅くまでお疲れ様。今日はゆっくり寝ないとね』
さっきまで泣いてた顔を見られたくなくて、隠すように背を向けた。
「待って。何ヶ月ぶりに会えたと思ってんの」
不意に体を反転させられ、互いの視線が交じり合う。
「小春、泣いてた?」
『泣いてなんかない…』
「ウソつき。バレバレだから」
『ごめん…』
「言ってよ全部、隠し事はなしだよ」
言っていいんだ…。
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