突然の遠距離恋愛宣言に涙する私に彼は…切なくも甘い約束【前】 (ページ 2)
拓也と美緒は同じ大学に通っているが、学部・学科は別だった。
それに、同学年であるものの2人はとても対照的な存在である。
活発で見た目がやや派手な美緒と比べ
拓也は落ち着いた雰囲気を漂わせていた。
勉強していることも、見た目も、性格も異なる
交じり合わないような2人
そんな2人だが、一年の時にサークル活動を通して仲良くなったのだ。
―あれはもう2年も前のことになるだろうか、サークルの新入生歓迎会と称した飲み会のとき…
入学してすぐに、美緒は『写真サークル』に入った。
美緒の趣味は『景色の写真』を撮ることだったからだ。
美緒のスマートフォンは、友達と撮った思い出よりも遥かに景色の写真が多い。
もともと田舎育ちの美緒。
美緒の周りにはいつも自然があった。
―しかし、
大学に通うために上京しなくてはならなくなったのだ。
「やっぱり東京は息苦しい」
田舎の景色とは打って変わった都会の景色。
今まで自分の周りにあった木々や自然は、高層ビルに変わってしまった。
「―大丈夫?」
「えっ?!」
不意に男性の声がして、心臓が跳ねた。
見ると、隣に心配そうな表情を浮かべている見知らぬ男性が座っていた。
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