久しぶりに会った幼馴染と想いが通じ合い、その日のうちに身体を重ねる急展開に。プロポーズまでされた後、気を失うまで責められた夜。 (ページ 2)

「巽君……」

 瑛菜は、ブラジャーの上から胸のやわらかさを確かめている巽の手に、解放された手を添えた。

「あの、キスだけって……」

「そうだったっけ?」

 とぼけた巽に瑛菜は腕を引かれて起こされると、彼の両腕の中にすっぽりと抱きしめられた。

「俺があげた目覚まし時計、大事に使っててくれてありがとう。俺、やっぱり瑛菜が好きだ。きっと、小さい頃からずっと」

 突然の告白に、瑛菜の胸がドキッと高鳴った。

 そして、ぴったりくっついている巽の鼓動も早いことに気づく。

 それから、瑛菜自身の気持ち。

 目覚まし時計は、就職が決まったお祝いに贈られた。

 恋していた相手からの贈り物が嬉しくて、嬉しくて、大事にしてきた。

 これを、巽だと思って。

 実のところ瑛菜は、巽は自分には興味がないのだとあきらめていた。

 誕生日やバレンタインに、たくさん『好き』を詰めてプレゼントしても、瑛菜が望む『好き』は返ってこなかったからだ。

 きっと巽の中には、幼馴染としての『好き』しかないのだとあきらめていた。

「なんで……今なの? 私、今までずっと……」

「ごめん。でも、瑛菜は俺より年上で、成績もよくて何でも器用にこなせる人だったから。だから、中途半端じゃ釣り合わないと思ったんだ」

「そんなの」

「いや、俺が許せなかった。瑛菜の隣に立っても、恥ずかしくないようになりたかった」

「それまで私がフリーだと思ってたの?」

「結婚してきゃ遠慮なく割り込む気でいた」

 大胆なセリフに、瑛菜は思わず噴き出す。

 それから、この幼馴染の一途さに呆れて……愛しくなった。

 瑛菜は、巽の背に腕を回して抱きしめた。

「もう、恥ずかしくないと思ったから?」

「内定取った。そこで働くよ」

「すぐ辞めたらダメだよ」

「辞めない。そんで、瑛菜に結婚申し込む」

「え!?」

「なんで驚くんだよ。恋人がゴールなわけないだろ。結婚して、子供つくって、ジジイとババアになるまでずっと一緒だ」

 瑛菜の身体が再びベッドに沈む。

 巽は、やさしく微笑んでいる。

「不束者ですが、末永くよろしく」

 瑛菜が返事をする前に、彼女の口はふさがれた。

 さっきよりもキスは深く、瑛菜の舌はすぐに巽の舌に絡め取られた。

「ん、んふ……んぅ」

 舌も唇もたっぷり巽に吸われて、瑛菜の頭はすっかりのぼせていた。

 唇を開放された時には身体から力が抜けてしまい、ただぼんやりとお互いの唾液にぬれた巽の唇を見ていた。

 その唇が、胸元に落とされる。

「……っ」

 唇はやわらかな胸の谷間を味わうように這った。

 巽の手が背中に回ったのを感じ、瑛菜は背を浮かせた。

 あたたかな手が背中を這うと、瑛菜の身体の芯に官能的な火が灯る。

 ブラジャーのホックが外されて、開放された乳房に巽の手が触れた瞬間、その火が身体中に伝っていった。

 やわやわと揉まれると、無意識に瑛菜の口から甘いため息がこぼれ、快感に背筋が反った。

 図らずも巽に胸を突き出す姿勢になってしまっているが、瑛菜にそれを気にするほどの余裕はなかった。

 そして、もうとっくに立ち上がっている乳首を巽の指先に撫でられたとたん、

「あッ、あぁん」

 しびれるような快感が胸の先端から全身を駆け巡り、思わず声が出てしまった。

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